海の中

2021年1月 5日 (火)

初潜り

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2021年1月5日・中潮

今年は丑年ということもあり、
初潜りは、ウミウシに会いに行ってきました。
写真は、海底をゆっくり進もうとしていた小さなコミドリリュウグウウミウシです。
触角からしっぽの先まで1cmあったでしょうか。

年末から天候が安定せず海が大時化で、海底でもうねりの影響がありました。
ウミウシも大きなうねりに揺られて、突然フワーッと中層に舞い上げられたり、
砂の上をコロコロぐるぐると何度も転がされたりしながらも、
うねりが弱まるたびになんとか海底をつかまえて、
ゆっくりゆっくりマイペースで進んでいました。

2018年から始まった浄水場建設の問題、
それに続くようなさまざまな自然環境の問題、
去年からの新型コロナウイルスの問題など、
出口の見えない状況が続いていますが、
ウミウシのように、ゆっくりながらもあきらめずに進んでいきたいです。


昨年も一昨年も、忙しくて報告できていませんでしたが、
阿真ビーチのビーチクリーンと外来植物駆除は、地道に続けています。

★2018年
 ビーチクリーン=322回/計370.59kg(タバコ吸殻=773本)
 外来植物駆除=37回/計339.49kg
★2019年
 ビーチクリーン=284回/計383.96kg(タバコ吸殻=767本)
 外来植物駆除=98回/計205.62kg
★2020年
 ビーチクリーン=306回/計653.67kg(タバコ吸殻=508本)
 外来植物駆除=174回/160.92kg

最近では、やっとアメリカネナシカズラの勢力も弱まってきて、
根絶への兆しが見えてきました。
2017年に爆発的に増えて、一時は絶望的な状態にもなったのですが、
駆除のやり方を変えたり、試行錯誤しながら、
あきらめなくてよかったとつくづく思います。

そうそう、2019年には、阿真ビーチのグンバイヒルガオ群落が、
沖縄県の『美ら島おきなわ・花と緑の名所100選』に選ばれました。
http://www.midorihana-okinawa.jp/?page_id=7619


まくとぅそーけーなんくるないさ...
あきらめず誠実にがんばれば、道は開ける...
自然は、さまざまなことを教えてくれます。



2020年1月 3日 (金)

ココロノトモ

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2020年1月3日・小潮

本当に、とても久しぶりに、ウミガメたちに会いに海へ行きました。
本当は、元旦に、新年のごあいさつに行きたかったのだけれども、
どうしても早く終わらせないといけない仕事が溜まりに溜まっていて、
実は今日もまだまだやることが山積みだけれども、
せっぱつまって焦る気持ちは、カメラと入れ替わりに防湿庫に閉じ込めて、
あたたかな陽射しに背中を押されるように、阿真ビーチへ素潜りに行きました。

海に入ると、すぐにキキが出迎えてくれました。
あいさつしようと潜ると、入れ替わるようにキキは水面へ上がっていきました。
キキがめざす先には、冬の少し陰りのある柔らかな色の空が広がっていました。
白い雲がこちらをのぞきこみ、
雲の隙間から太陽の光が笑っていました。
この空の向こうで、キミも笑っているだろうか...。
 
ずっと息ができないような日々が続いていたけれど、
海に潜ったら、いつのまにかすっと胸が通って、
息ごらえしているはずなのに、呼吸ができるようになりました。
キキと一緒に水面で、大きく深呼吸しました。
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この1年、これまでにないほどのたくさんの苦難に取り囲まれ、
問題の複雑さから、誰にも話せないことが多くなり、
胸いっぱいに消化不良を起こしていました。
吐き出すにも吐き出せず、とにかく問題解決に奮闘していましたが、
がんばればがんばるほど、消化不良は溜まっていきました。
胸につっかえて、息が止まりそうになったこともありました。

でも、
そうか、ボクにはキミたちがいるんだった...。
多くの人と会い、慣れない話をし、
人の間で必死にモガいてテンパっている間に、すっかり忘れていました。

今日は、キキとビーとショウとクッシーが話を聞いてくれました。
ビーは相変わらず、あの頃のミカのように砂まみれになって
ウミヒルモの根っこを夢中で掘って食べています。
小さかったショウとクッシーは少し体が大きくなっていました。
アカヒメジの子どもたちが楽しそうに海底を群れ、
臆病者のムラサメモンガラが横目でこちらをチラチラ見ながら、
ジグザグに泳いでいきます。
少し冷たい海の水がふんわりと体を包んで抱きとめてくれて、
空を見ながらひとときぷかぷかと雲のように浮かんでいました。

海から上がると、少し体が軽くなっていました。
仕事は押してしまったけど、十分に挽回する力をもらいました。

ありがとう。
ココロノトモたち。

まもりたい。
ココロノトモたち。

がんばります。


2019年1月15日 (火)

あけまして

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2019年1月15日・長潮

座間味島は、お正月から天候が安定せず、
浄水場の問題で忙しかったこともあって、
なかなか海の仲間たちにあいさつに行けませんでしたが、
やっと晴れて、海も凪いだので、阿真ビーチで素潜りしてきました。

アオウミガメのビーを見かけたので、寄っていくと、
海底に手をついて、ていねいに新年のあいさつをしてくれました。

・・・というわけではなく、海底を掘って、
ウミジグサという海草の根を、夢中になって食べているところです。

これからも、
海の仲間たちが、のびのびと暮らせる座間味島でありますように...


2018年1月 2日 (火)

ふぐわらい

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2018年1月1日・大潮

新しい年のはじまりは、朝から良い天気でした。
初日の出を阿真ビーチに見に行って、
そのまま、ビーチクリーンをして、
その後、イビヌメー(海の神様)にお参りし、
古座間味ビーチで初潜りをしてきました。

たくさんの海の仲間たちに、あいさつしてまわりましたが、
中でも、とびきりの笑顔で迎えてくれたのが、
サザナミフグでした。

今年も笑顔で、元気にがんばりましょう。

2017年1月19日 (木)

回復中

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2017年1月19日・小潮

座間味もようやく冬らしくなってきました。
海の中ではカクレクマノミが
イソギンチャクの触手にくるまって、ぬくぬくとしています。

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夏の高水温で白化してしまったイソギンチャクにも
水温の低下とともに褐虫藻が戻り始めています。
まんべんなく戻るのではなく、
部分部分に戻ってくるため、そばかすのようになっています。
時間がたつにつれ、うっすら広がり、なじんでいきます。

2015年1月 5日 (月)

あけまして

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2015年1月4日・大潮

新年から荒れ模様の座間味でしたが、
今日は朝から快晴で、海もおだやかに凪いでいます。
遅ればせながら、
海の仲間たちにあいさつに行ってきました。

水温が低いからか、
ウミガメも魚たちも、動きがのんびりです。
写真のイシガキカエルウオも
なんだか目元が眠そうで、
水中に射し込む太陽の光にまどろんでいます。

水が冷たいからこそ、
太陽の暖かさが感じられてありがたく、心がほっこりします。

今この時を大切に、楽しみながら、のんびりと。
笑顔あふれる1年になりますように。

2014年2月18日 (火)

どこにいても きみはともだち

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2014年2月18日・中潮

オーストラリアから帰ってきました。

今回のオーストラリアは、海が荒れる日が多く、
いつもより撮影できる回数は少なかったのですが、
それでもまず、大好きなアシカたちと会えて、しあわせでした。
素敵な出会いがいっぱいあり、いい写真も撮れました。

毎回、個体識別をしていて、
見分けられるようになった子には名前をつけているのですが、
今回1番のやんちゃっ子は、
腰に「!」のアザがあるオスの子どもの「エクスケ」で、
他のアシカを撮っていると、カメラの前に割り込んできてポーズをとったり、
頭や肩に乗ってきて、じゃまするようにベタベタじゃれてきます。

3年前に子どもだったメスのアシカ「Gull」にも再会でき、
りっぱなオトナに成長していて、うれしかったです。

アシカ同士でも、じゃれあったり、ケンカしたり、
競争したり、おんぶしてもらったり、いじけたり、得意げになったり・・・。
アシカは本当に無邪気で、たくさんの元気を与えてくれます。
帰国後、溜まった仕事に追われながらも、
その表情やしぐさを思い出しては、頬が緩んでいます。

ただ、その一方で、ニホンアシカに会ってみたかったと、
心は複雑になるけれど。

遠く離れていても、いつも心を癒し、支えてくれている。
きみはずっと心のともだち。
いつまでも、みんな元気で、ともに生きていけますように。

2014年1月 1日 (水)

あけまして

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2014年1月1日・大潮

年末は天気が悪く、寒い日が続いていましたが、
新しい年の始まりの日は、朝から快晴でした。

初日の出を見に行って、
イビヌメー(海の神様)にお参りし、
古座間味ビーチで初潜りをしてきました。

水温が低く、海の中は寒かったのですが、
元気なハリセンボンに出会いました。

今年も笑顔で、元気に頑張りましょう。

2013年8月 8日 (木)

子どもたちがいっぱい

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2013年8月8日・大潮

晴天つづきで、写真はいっぱい撮れているのですが、
データの整理が間に合わず、
ブログにアップできなくて、すみません。

海の中は魚の子どもたちがいっぱいです。
ほどよい大きさのアオサンゴは、
イシガキカエルウオの学校になっていて、
ちょこちょこ動くカエルウオの子どもたちで、にぎやかです。

サンゴの上から遠くを見ていたり、
サンゴから降りて、藻を食べたり、
仲間とひっついたり、ケンカしたり…。
こうして日に日に成長していきます。

2013年7月12日 (金)

いのちあふれる季節

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2013年7月9日・大潮

梅雨が明け、カーチベーがおさまり、
天高くからまっすぐに降りそそぐ太陽の光に、何もかもが輝く季節となりました。

幾重にも広がる海の青のグラデーションは鮮やかさを増し、
海の中は、無数のちいさないのちであふれかえっています。

どこに潜っても、いろんな子どもたちのにぎやかな群れ。
潮に向かって、元気よく、楽しげに泳ぐ姿に、
その場に一緒にいるだけで、パワーをもらっています。

大きな魚たちにとっても、ごちそうがいっぱいのうれしい季節。
忙しそうに泳ぎまわって、群れに飛び込んでいきます。
子どもたちの群れは、みんなで一斉にさっとかわして、
たがいに、涙をのんだり、嬉々としたり、ホッと喜んだり、チェッとすねたり。
そして、また前を向いて、今を一生懸命生きています。

台風の後も、みんな無事で、会えるといいな。

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