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2019年3月11日 (月)

「想定」の現実

3月6日
座間味村議会の3月議会が開かれ、
一般質問で、宮平譲治議員が、浄水場問題について言及しました。

その中で、現行の『座間味村地域防災計画』は、
平成22年の『沖縄県地震被害想定調査報告書』に基づいて作成されており、
その調査報告書は、あの東日本大震災を受けて平成26年3月に更新されているのですが、
村の地域防災計画には、それが反映されていないことが分かりました。

最新の『沖縄県地震被害想定調査報告書』(平成26年3月)によると、
沖縄本島南西沖地震が起きた際、
座間味村の上水道断水率は、被災直後99.6%とほぼ全域で断水し、
1週間後も97.5%、1ヶ月後でも55.1%と、県内ワースト1位です。
(県全体の断水率=震災直後45.5%、1週間後34.8%、1ヶ月後9.4%)
震災から1ヶ月経っても、
座間味村では、水道は半分も復旧しないという予測です。

村の説明では、
その1番の要因は、地震に伴う液状化現象が発生する確率が、
座間味村は他の周辺離島よりも高いからだそうです。
そこで、新年度予算で上下水道の管路の更新を行うことで、耐震化、減災につなげ、
防災計画については、すみやかに最新版に更新すると、村の担当者は答えていました。

現在、座間味島の浄水場は、高月山の中腹(標高約100m)にあります。
津波が来ても、浄水場自体は助かる場所にあって、この断水率の予測です。
それが、今、阿真キャンプ場(標高2m)に浄水場が移転したら、
果たして、どうなるのでしょうか。

阿真キャンプ場の津波浸水想定は、5m〜10m。
浄水場自体が助かった場合と助からなかった場合では、
どちらの方が、早く普段の暮らしに戻れるのでしょうか。

厚生労働省が発表している『水道の耐震化計画等策定指針』では、
浄水場は、更新時を捉え、津波被害を受けない高台への移転を勧めています。
企業局や村は、津波はめったに来ないというような認識の説明を繰り返し、
国の指針は、あくまでも「原則として」だとしています。

でも、8年前、想定外のあの大津波が、現実に起こったのです。

座間味島は人口600人程度の小さな島ですが、
年間10万人の観光客が訪れ、トップシーズンには1日1000人が滞在します。
予測のつく台風襲来時は、先に観光客を帰して、島民だけでしのげますが、
予測のつかない地震や津波の災害時には、
多くの観光客が島にとどまる可能性は高いです。
また、津波の場合、沖縄本島や周辺離島も同時に被災し、
座間味島の復旧復興は遅れる可能性も高く、
島内には、水量のある清流もなく、
電気やガスよりも人命を左右する水がなくなることは致命的で、とても不安です。
もし、多くの観光客も一緒に閉じ込められたら??
島民はもちろん、島に癒されに来たお客さんを、そんな目に合わせたくないです。

企業局は、可搬型の海水淡水化装置を島に運び込んで対応するとしていますが、
その海淡装置は、普段、沖縄本島西海岸にある北谷浄水場に置いてあり、
実際、津波が起こった際、その北谷浄水場自体も大変なことになると思うし、
そこから、どう対応するのか。
沖縄本島の海岸道路も港も、座間味島の港も、どんなことになるか分からない、
そんな状況で、本当に、船で島に運んで来ることができるのか。
何十万人もの水を供給している北谷浄水場が被災していても、
こんな小さな座間味島のために、本当に、復旧の応援がすぐに来てくれるのでしょうか。

だから、島で自助自活できるようにしたい。
自分たち島民だけでも、なんとかしていけるようにしてほしい。
それが、住民の切なる願いです。

現に、想定外の大津波や災害は起きています。
東日本大震災の後には、『津波法』も制定され、
それに基づいて、いろんな防災計画に予算がつけられ、
「津波に強い国づくり」を国はすすめています。
震災後の平成26年3月に策定された『沖縄県地震被害想定調査報告書』も、
そのために、多くの人が関わって調査し、多額の税金をかけて、作成したはずです。


多くの尊い命が犠牲になった大震災の教訓を、無駄にしてはいけない。
強くそう思います。


村議会で、宮平譲治議員は、さらに、
「持続可能な観光」を目指して、
島の中での地域ごとの特色を生かし、保全していくことが大事だと述べました。
阿佐地区は、フクギ並木や石垣を保全し、昔ながらの島の雰囲気の残る地域づくり、
阿真地区は、キャンプ場を中心に、
ウミガメが訪れるビーチ、それを楽しみに癒しを求めて観光客が集う
自然豊かで静かな場所を保全していくべきではないかと。
そこに、浄水場という工場が建つのは適当ではないのではないか、
村の限られた平地は大切にしたい、
これからの村の観光振興、将来の可能性を残すためにも、
あの場所は、キャンプ場用地として守っていくべきではないか、
島の将来、夢を描いていけるような村づくりをともにしていこうと訴えました。


未来の子どもたちに、安心と安全、
そして、島の宝と夢を残していくのが、
今の島のおとなたちの責務だと感じています。



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