阿真ビーチの危機
国立公園・ケラマ
「ウミガメに会えるビーチ」がピンチ!
座間味島の西側にある阿真ビーチは、
浅瀬には海草が生え、沖は豊かなサンゴ礁が広がり、
色鮮やかなサンゴや魚、ウミガメたちがのんびり暮らす自然のままの、貴重でしあわせな海。
ちょっと海に入れば、気軽にウミガメと会える奇跡のビーチです。
そんな出会いや癒しを求めて、国内外から観光客が訪れ、
ウミガメとの再会を楽しみに毎年通ってくる常連客も多く、
沖のサンゴ礁では、たくさんのダイバーが潜り、その感動を共有しています。
しかし、今、その阿真ビーチのすぐ近くで、
浄水場建設など様々な開発計画が持ち上がっていて、
そのかけがえのない自然が壊れてしまうのではないかと心配しています。
浄水場は、阿真ビーチに隣接するキャンプ場内の「多目的広場」に造られる予定です。
その広場は、広々とした開放的な緑の草原で、
セイタカシギやヤツガシラ、アマサギの群れなどの旅鳥が羽を休め、
国内最大の蝶オオゴマダラなどがふわふわと舞い、
銀緑色の葉が香しいハマゴウや花輪のようにかわいらしい白い花をつけるハマボッスなど、
牧歌的な島の風景とやさしい自然をのんびり楽しめる場所です。
その場所に今、これまでにないものが仮置きしてあるのですが、
それだけでも、「あれは何ですか?」「違和感がある」「阿真の雰囲気壊れる」と
ビーチクリーンのたびに、観光客のみなさんから、声を掛けられます。
特に、この地を故郷のように毎年通ってこられる常連さんは、とても残念がっています。
ましては、浄水場のような大きな建物が建ったら、みなさんどういう気持ちになるでしょうか。
また、浄水場からの排水予定先は、阿真ビーチに注ぐ川の河口なのですが、
「ウフグシ」と呼ばれるそこは、一般的な河口と違っています。
ほぼ一年中、河口には、自然に砂が堆積して川を堰き止めているため、
上流から流れてきた富栄養化した茶色い水は、常に砂でろ過され、
海へ浸み出るまでには、透明できれいな地下水となって、海底から湧き出ています。
この堆積した砂にろ過され、水質が良くなった地下水と適度な栄養が、
阿真ビーチの海草やサンゴを育て、ウミガメや魚たちを育み、ケラマブルーを保っているのです。
ただ、年に2,3回、台風などの増水時には、
河口の砂が決壊し、茶色い川の水が直接流れ込みます。
すると、海の水が富栄養化して、河口近くの海底はすぐに褐色の藻類に覆われます。
繁茂した藻は、海草やサンゴをどんどん覆い尽くしていきますが、
台風が去れば、
いつも一週間程度でまた河口に砂が堆積し、川の水が堰き止められるので、
藻類は減退し、海草やサンゴが元気に復活します。
その間に、上流では淀みもなくなり、この時をチャンスとオオウナギの稚魚も遡上します。
そうやって、ケラマブルーの海と、森の中をつたう川の自然が保たれているのです。
それは、絶妙な自然のバランスが生み出したかけがえのない産物で、
人の手では到底作り出せない奇跡の自然作用です。
しかし、そこへ浄水場から毎日90トンの排水が流されることになると、河口は常に開かれ、
茶色い川の水はそのまま海へ注ぐことになり、このバランスは大きく崩れることになります。
このままでは、ケラマブルーの海も、すくすく育つサンゴや魚たちにも、
無邪気に海草をはむウミガメたちにも、会えなくなってしまうかもしれないのです。
(詳しくは、『阿真ビーチ自然観察ガイドVol.5』P.47〜48)
一度こわれた自然を取り戻すのは難しいです。
自然は、人間が作れるものではないし、お金で買えるものでもないです。
今の状態の阿真の自然に、
住民も観光客も、どれほどたくさんの恵みや癒しをもらっていることか...。
島の宝であり、地球の宝だと思っています。
だから、守りたいです。
住民はみな、決して浄水場建設の反対はしていません。
ただ、場所を見直してほしいとお願いしているのです。
島の若者たちが、今回の問題を分かりやすくまとめたHPを作ってくれたので、
ご覧ください。
★こちらをクリック→【ウミガメに逢えるビーチを守るために浄水場建設予定地の変更を!!】
また、住民向けに作った資料と新聞記事を添付します。
→「第2回浄水場説明会に参加しましょう.pdf」をダウンロード
★新聞記事→https://ryukyushimpo.jp/news/entry-764433.html
(※記事の中で説明会3回目というのは、隣の阿嘉島で4月に行われた説明会を合わせて、
村内で3回目ということで、阿嘉島は島が違うので、建設内容は別になります。
座間味島の説明会は2回目となります。)
このブログには軽いデータのものしかアップできなかったので、
もっと詳しく知りたい方は、下記のホームページから資料をダウンロードしてご覧ください。
http://www.umima-ru.com/josuijo.html
このブログと同じ文面で、下の方に資料を添付しています。
7月19日に予定されていた第2回説明会は、
台風の影響が予想されるとのことで、急きょ延期となりました。
次回の日程は、まだ決まっていませんが、
計画を急ぐ県企業局は、
台風明けすぐにでも説明会を開催し、事業を進める方向で調整しているそうです。
→【8月1日18:30〜座間味村離島振興総合センターにて】開催予定となりました。
阿真ビーチファン、ウミガメファン、そして地球の自然を愛するみなさん、
ぜひ、沖縄県企業局へメッセージを送ってください。
そして、もしよければ、こちらにも思いを寄せていただけませんか?
企業局へのご意見をコピペでも、大歓迎です!
★ご意見やメッセージ送り先:info@umima-ru.com
みなさんからのメッセージを綴って、県など関係各所へ届けたいと思っています。
匿名ご希望の方は、お住いの都道府県と年齢(〇〇県/〇〇代)を添えてください。
よろしくお願いします。
※手書きの署名やメッセージは下記へお送りください。
【送り先】
〒901-3403 沖縄県島尻郡座間味村阿真150
プチギャラリーうみまーる宛
着払いで送っていただくか、元払いの場合には、同等の切手を返送させていただきます。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。
「世界が恋する海」座間味の自然を、どうか救ってください!
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署名いたしました 微力 いや 無力ながら… 応援しております
投稿: Bar K・・・・ 菊地@仙台 | 2018年7月30日 (月) 18時33分