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2017年12月29日 (金)

海岸植物の保全活動

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2017年12月29日・中潮

今年は、阿真ビーチの海岸植物にとって受難の年でした。

上の写真は、普段の健全な阿真ビーチの姿。
初夏から秋の間、島本来の在来植物の鮮やかな緑の葉と、
グンバイヒルガオのピンクの花が、いっせいに浜辺を彩ります。
(この写真は2018うみまーる大判カレンダー5月に収録しています)

ところが、4月に、例年にない大規模なイベントが阿真ビーチで開催されて、
海岸植物が広範囲に踏みつぶされてしまったのです。
主催者側は、最大限の配慮をしてくださったようなのですが、
結果は予想以上に深刻な状態になってしまいました。
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グンバイヒルガオや希少種ハマボウフウなど、島本来の在来植物は、
台風などの塩害には強いのに、長時間や強い踏みつけには弱く、
またたくまに黒くなって枯れてしまいました。
バラバラになって、姿を消したものもいます。
(普段、普通に人が通るくらいは、全く大丈夫なのですが、
 あまりにも負荷がかかりすぎてしまったようです。)
一方、外来植物は、
踏みつけに強く、踏まれて折れてもすぐ元気になります。
このままでは、外来植物だけに占拠され、島本来の自然がなくなってしまう....。
なんとか、在来植物を復活させようと、
先に回復したり芽を出した外来植物を駆除して保全活動を行いながら、
観光客の方たちにも、今はあまり踏まないよう協力をお願いして、
在来植物の復活を見守りました。

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梅雨になると、保全活動の成果もあってか、
やっと在来植物の緑の葉がぐんぐん伸びてきました。
グンバイヒルガオのピンクの花もちらほら咲き始めました。
これで、元どおりに元気になるかなと思った矢先に、
今度は、アメリカネナシカズラという
北アメリカ原産の黄色い寄生植物が急に広がってきました。
春に踏みつけられた傷が完全に癒えてなかったので、
寄生しやすかったのかもしれません。

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グンバイヒルガオは、初夏から秋の終わりまで次々と花を咲かせていくのですが、
その美しい花やみずみずしい緑の葉を覆いつくすように、
網目状にアメリカネナシカズラがどんどん広がっていきます。
無数に伸びた細いツルで葉柄やつぼみに巻きつき、そこから養分を吸い取っていきます。
緑の葉は黄枯し、つぼみは花を咲かす前に茶色く立ち枯れ、
次の世代を残すタネを実らすこともできない状態です。
このまま静観していては、海岸の在来植物のほとんどが寄生され死滅してしまうと危惧し、
これまでは、年に数回だった外来植物の駆除を、週に1回、
毎週日曜日の午後に、うみまーるの2人で保全活動をするようになりました。

しかし、アメリカネナシカズラの生命力はすごいです。
伸びたツルをほとんど取りきったと思っていても、
巻きついたところがほんの少し残っているだけで、そこから、また何本ものツルを伸ばし、
1週間経つと、1週間前と同じ光景が広がっていて、まるでイタチごっこです。
取っても取っても繰り返し現れるその光景に、泣きたくなるような時もありましたが、
それでもあきらめず、とにかく在来植物を守ろうと、根気強く続けていくと、
少しずつ少しずつ勢力が弱まっていきました。

時には、心優しい島の住民や観光客の方々も手伝ってくれて、とてもうれしかったです。
「一面に広がるグンバイヒルガオの花と緑を毎年楽しみにしている」と、
声をかけてくれる常連客の方もいて、大きな励みになりました。

そうやって、今年だけで34回の海岸植物保全活動を行い、
アメリカネナシカズラをはじめ、シロノセンダングサやクリノイガ、
コマツヨイグサなどの外来植物:552kgを駆除しました。

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この写真は、今の阿真ビーチです。
みなさんのあたたかい協力や、毎週がんばった甲斐があって、
緑が生き生きと広がって、気持ちいいです。
冬は、グンバイヒルガオの花はあまり咲いていないですが、
ハマユウの白い花やハマササゲの黄色い花がちらほらと咲いています。
これからが見ごろの菜の花の仲間のハマカブラも咲き始めました。
グンバイヒルガオは、来年の初夏には、きっとまた、
一面のピンクの花を咲かせてくれることでしょう。

イベントの実行委員会をはじめ、村役場など関係各所に
「阿真ビーチは砂浜が狭く、大人数のイベントは自然に負荷がかかりすぎるので、
 来年からは、砂地の広い古座間味ビーチで、
 海岸植物を踏まないようにして、イベントを開催してほしい」
と要望書を出し、みなさん理解してくれて、
今後は、古座間味ビーチでの開催が決まりました。

阿真ビーチには、ケラマ全体でも、ここだけでしか見られなくなった植物もいます。
手つかずの自然が残る阿真ビーチは、島の宝。
このかけがえのない阿真ビーチの自然は、地球の宝だと思っています。

これからも、阿真ビーチの自然を、
地道に守っていきたいです。

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