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2014年3月

2014年3月24日 (月)

20140322

2014年3月22日・小潮

海はおさまって天気もよくなってきたけれど、
クジラを探してめざす外海は、白波がピョンピョン元気すぎて、
チビ艇BabyWhale号では、まだ厳しい海況です。

そんな時は、ウミガメに会いに行きます。
内海は風も波もすっかり穏やかになり、気持ちのいい凪の海。
空もだんだん鮮やかな青になってきました。

今日は、ミツやタクなど4頭の常連さんと、
座間味の内海では珍しいオスのアオウミガメに会いました。
実は、このオスガメ、昨年の春に阿真ビーチに入ってきて、
夏の間居ついていたカメで、
今年もまたやってきてくれたようなのです。
後頭板が4枚でV字型に並んでいるので、うみまーるでは「ブイ」と呼んでいます。
久しぶりのうれしい再会となりました。

長い前ヒレとしっぽが立派です。

ウミガメにとってちょうどこれから恋の季節の始まりです。
しかし、甲羅は冬の間に繁茂する藻で覆われて、美しい甲羅の模様は見えません。
水温が高くなるにつれて、藻の勢力が衰えて、だんだんきれいになっていくことでしょう。
それがカメの世界では恋に関係するかどうかはわからないけれども。

そんなこちらの心配事など知ってか知らずか気にも留めない様子で、
ブイはのんびりと海草を食べ、時々息継ぎに上がっては、空を眺めていました。

毎年、恋の季節の常連さんになってくれるといいなと思います。

2014年3月20日 (木)

美ら海のなかまたち 4

20140320

2014年3月20日・中潮

昨日までの暖かい南風が西から北に変わり、海が時化てきました。
明日は、きっと定期船は全便欠航です。
それでも春は確実に近づいていて、
荒波のビーチも色鮮やかにクリームソーダ色です。

関西で朝日新聞を購読されている方に
毎月配られるカレンダー裏面の連載コラム
「美ら海のなかまたち」の第4回は、カンザシヤドカリです。

「花ざかり」というタイトルで
サンゴのお花畑でごきげんに暮らすカンザシヤドカリを紹介しています。

他のヤドカリと違って、自由に動き回れないカンザシヤドカリは、
潮の流れに運をまかせて、食事をします。
のんびり優雅に暮らしているようで、実はなかなか忙しいんです。
その運をつかむには、それなりの工夫やコツがいる。
生きていけるのは、その努力のたまものなんですね。
周りのサンゴたちも同じようにつかもうと、懸命にその小さな手を広げています。
その姿は、まさに、未来へと命をつなぐため、
花びらをいっぱいにほころばせる花と同じように、ちゅらさー(美しく清らか)です。

海が穏やかな日は、クジラに会いに出かけています。
この冬生まれた子クジラたちは、遊び盛り。
お母さんの背中の上で仰向けになってゴロゴロしたり、
両胸びれで水面を叩いたり、ジャンプしたり、とてもやんちゃでかわいいです。
内地では、桜の便りが聞こえ始めましたね。
満開の桜が各地で風に揺れる頃、
子クジラは、北の海へ向けて、旅立ちの日を迎えます。


【紙面の問い合わせ先】
朝日販売サービスセンター http://www.asc-g.co.jp/

2014年3月10日 (月)

水俣物語

20140307

2014年3月10日・長潮

友人の写真家・尾崎たまきさんの写真集『水俣物語』が出版されました。

去年9月に出版された写真絵本「みな また、よみがえる」
http://umima-ru-zamami.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-dab4.html
から、さらに広い視点でまとめられた、水俣のいまを映し出す写真集です。

水の旅から始まる序盤が素敵です。
艶やかな緑、鳥になる魚たち、イヌビワの実、カマキリ、カエル、サギ、人々の暮らし・・・。
水俣の自然の中で、豊かに生きるたくさんのいのちたちが、
水が空から森、川、海へと循環する旅の中で、キラキラと表情豊かに綴られています。

海では、過酷な汚染にさらされながらも、たくましく生きぬいてきた海の生きものたち。
今を生きる喜びに満ちあふれたその姿に、ただただ感動します。
また、海藻が空に向かって伸びる写真の連続に、
ここ(この海)は豊かな「命の森」なんだと改めて強く確信させられました。

だからこそ、そこに生きる生きものたちのそれぞれの表情が、さらにまぶしく輝いて見えた。

その、ひとつひとつの貴重ないのちをいただいて、人間は生かされている
という大事なことが、
あらゆるいのちを慈しみ、自然の恵みに感謝しながら生活を営む人々の
思いとともに、心に満ちてきます。

そして、水俣に生きる人々の笑顔は、みな、とても素敵です。
そのまなざしは優しく深い。

それは、途方もない苦しみや悲しみを知っている眼であり、
悔しくてつらくて何度も涙を流しながらも、
水俣病と向き合い、
乗り越えてきたからこその笑顔なのだと、たまきさんは言います。
それはまた、そのことをしっかりと受け止め見つめるたまきさんだからこそ、
撮れる表情だと思いました。

豊かに生きるとは何か、ほんとうの復興とは何かを教えてくれる写真集です。

明日、東日本大震災から、丸3年を迎えます。
ぜひ、手にとってみてください。

くわしくは、新日本出版社のHPの新刊案内と
http://www.shinnihon-net.co.jp/general/detail/name/%E6%B0%B4%E4%BF%A3%E7%89%A9%E8%AA%9E/code/978-4-406-05743-1/

尾崎たまきさんのHPをご覧ください。
http://www.ozakitamaki.com/

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